しーずん見聞録

しーずんといいます。作った楽譜や書いたエッセイをここで公開しています。

【エッセイ】看守なきパノプティコン ~伊藤計劃『ハーモニー』より

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 現代は、インターネットによって不特定多数の人々の暮らしや価値観を知ることが簡単な時代に突入している。物理的な距離という制約によって縛られていた情報の伝播の限界が、インターネットの登場によって一気に取っ払われたためだ。それによって、誰もが自分の情報を「誰かに」提示することが可能となり、自分のあずかり知らぬところで、誰かに知られることになる。

【エッセイ】I played soldier, you played king

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どんな生物にもあてはまることだが、人間というのもまた有限であり、必ず最後にたどり着くのは「死」である。生まれる前という固定された「無」からはじまって、その後に生が始まる。つかの間の「生の時間」を経て、やがてまた「死」という固定された「無」へと戻っていく。
 

【エッセイ】黒衣のナルシシズム

 

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ギターの演奏会が間近に差し迫っていて、練習をしているときに、わたしがふと「なんでギターなんか弾いて、しかも発表なんてしようとしてるんだろうなあ」とぼやいたときに、その場にいた人が返答した内容がそう言った。「音楽の発表をするなんて、誰でもナルシスト入ってないとできないでしょ?音楽だけじゃなくて、そういう人前で発表する系は全部。」なのだと。

【エッセイ】芸術や文学が光を放つ時代へ

 

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情報化社会が進展し、人間の労働が奪われるのではないかという話もついぞ現実的なものとなりつつある。AI技術は発展し、人工知能量子コンピュータといった、人間の脳の処理能力を遥かに凌駕する機械も誕生してきた。2030年までに、現存している仕事の50%ほどが機械に取って代わっていくと言われていて、これからの時代は、機械に仕事が奪われていくのではないかと危惧されている。そうした時代では、仕事を失った人は貧困にあえぎ、事業を生み出す人は機械の力によって富を稼ぎ続けるという、貧富の二極化が激しい世界となるともいわれている。